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『ディスレクシア~読み上げをするって実は結構大変?~』
2024/04/16
今回は、前回お伝えした読み上げについて取り上げたいと思います。
読み上げには大きく分けて二種類あるとお伝えしましたが、まずは「人に読んでもらう読み上げ」のパターンから説明していきたいと思います。
この、人に読んでもらうというパターンの最大のメリットはとても融通が聞くというところです。
読んでほしい所をピンポイントで読んでもらえたりするので、必要なところに焦点を絞って瞬時に情報を得ることができます。また、人工的な音声ではないので、アクセントやイントネーションなどが自然に読み上げられ違和感なく聞けるというポイントもあります。
そして、何より、読書を一人だけでなく読み手と共に楽しみながら行えるので、読書を通した人との素晴らしいコミュニケーションの機会にもなります。
また、分からない言葉が出てきたらその場で読み手から教えてもらえる利点もあります。
しかしながら、デメリットもあります。
まず一つ目に読む方が疲れてしまう所です。声を出し続けるということは実は結構な肉体労働なのです。
特に長文などを読み上げする際は大変です。
保護者の方に普段の学習で読み上げをお願いすると、「途中で疲れてしまってなかなか最後まで読んであげられません」という意見をよくいただきます。
確かに、自分自身も療育内で過去に学校の教科書に載っている長文を音読した際、肉体的、精神的にひどく疲れたのをはっきりと覚えております。
こう思うと、昔から絵本を読み聞かせしてきた保護者の方々の努力には敬意の念を抱かざるを得ません。
人による読み上げにはまだ見落としがちな問題点が存在します。
次回はその点についてもう少し深掘りしてお話していこうと思います。
言語聴覚士 杉江直哉